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「動けるではございませんか!薄雲をたばかったのですね!」
またまた柔らかそうな頬を膨らますと、今度は顔まで真っ赤になって地団太を踏みながら怒り始めた。
その様子を見て、頭を掻きながらユラユラと薄雲と名乗る女の子の前で座り込むと。
「スミマセン薄雲殿、この通り煮るなり焼くなり踏むなり噛むなり叩くなり好きにしてください」
覚悟は決まっていると座り込んだ八雲は、目を瞑り毅然とした態度でその場で正座した。
「……………………アンギャァァァァッァァッァァァア」
人気の少ない森の中絶叫が木霊した。叫びと共に鳥が数羽驚いた様子で飛び立つのを見かけた。
叫んだのは八雲だった。何故なら薄雲が。
噛んで噛んで噛んで噛んで噛んで噛んで、叩いて毛を毟りながら金的まで見舞った為であった。
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