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これよりもひどい拷問は、恐らく日本中探したとて見つからないであろう。
などと考えながら起き上がった八雲は、思い胸やけを押さえながら先に歩いて行った薄雲の後を追いかける。
山道は頻繁に使われている様子で、道なりに雑草が生えていなかった。
やれやれ、あの様子では暫く機嫌は戻らないだろうなどと考えていると、ふとそれに気がついた。
「……………………茶屋か……………それにしても微量だが血の匂いが」
微かな血の匂いに、少しばかり辺りを警戒し見回したが誰も居なかった為、そのまま薄雲が心配になり茶屋に向かった。
「遅かったで御座いますね。八雲の分は此処に置いてありますよ」
着いた瞬間に胸を撫で下ろした。薄雲は素知らぬ顔で皿を指差すと、どういう事かと思ったがすぐさま皿の上の状態を確認して納得する。
団子が一玉だけ皿の上に置いてあった。その隣りには数えきれないほどの数の串が置かれていた。
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