ごめんね、そして…

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正直、苦痛でしかない空間だった。こうなることくらい分かっていたはずなのに どうして私は… 嫌な沈黙が流れる中、夏恋の表情を見ることすら出来ず、硬直する。 金縛りにあったみたいに動けなかった。しかし、やがて気まずさよりも、早くこの空気から抜け出したい気持ちの方が大きくなっていく。 どうせ、もう会うことはないんだから、思いきって自分の気持ち伝えればいいのでは? (…名前も知らない、誰か。私にもう一度だけ…勇気をください。) 私の声に答えるかのように、すっと心が軽くなった。 考えるより先に、身体が動いていた。 「「あの時はごめっ……!!」」 ――ゴッチーン!!―― 2つの声がが綺麗に重なった瞬間、ものすごい鈍い音と共に、痛みが頭を駆けめぐった。 その痛みは頭だけでは満足しないで、徐々に全身に渡っていく。 ビリビリと、電流のように流れていく。 「っ…~っ!!」 声にならない声をあげながら、頭を抑えて目を見開く。 目の前に、星が舞っているのが分かった。真っ先に視界に飛び込んだのは、私と全く同じ行動をとっている夏恋の姿だった。 すぐに、お互いの頭がぶつかったことを理解した。
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