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楽しげに会話を交わす弥生と賢也は、女子生徒に気付いていない。
祐人は迫り来る生徒が放つ、威圧感のようなものを感じ、竹刀袋を左手に握り、袋から出た柄を右手で握った。
祐人はその体勢のままゆっくりと歩き出し、弥生と賢也に近付いた。
そして弥生と賢也の場所に辿り着いた時、女子生徒と擦れ違った。
祐人は横目でその生徒を見ていた。
仮面を被っているかのように、表情を一切変えず、周りの様子に眉一つ動かさない。
祐人が抜刀するそぶりを見せても、女子生徒は前を見つめたままで、祐人に反応を見せずに二年五組の教室に入っていった。
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