運命の手紙

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「どうしたの?」 祐人のただならぬ目線に気付いた弥生は、祐人の右腕を掴みながら尋ねた。 祐人は柄から右手を離し、袋の口を縛った。 「なぁ、弥生。さっきの女子って誰だ?」 「さっきのって誰?」 「黒藤麻夜だ」 頭を傾げる弥生に代わって、賢也が質問に答えた。 賢也は胸ポケットから手帳を取り出した。 「成績優秀、容姿端麗、スポーツ万能。うちの学校のアイドル的存在らしく、巷の噂ではファンクラブなるものが結成されているらしい」 「確かに黒藤さんは綺麗だよね」 弥生は黒藤が入っていった教室の扉を眺めた。
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