第1章

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司法試験の受験資格は、簡単には二種類あって、1つは司法大学院(ロースクール)を修了すること。 もう1つは、予備試験に受かること。 前者は、知識や理解の度合いによって、2年もしくは3年在籍することになり、それを経れば司法試験を受けられる。 後者は、受かりさえすれば翌年の司法試験にチャレンジできるし、年齢に下限はない。 となれば、断然後者の方がスッキリ人生の駒を進められるのは判ってます、が。 これがまた、かなり難しいと専らの評判。 まぁ、それに狼狽えているようじゃ司法試験なんか受からないって話なんだけどさ。 「弁護士とか...私、できますかねぇ」 「...ふふっ。真理は商才なさそうだから、公務員の方が向いていると思うよ」 「失礼なっ」 いや、私にも失礼だったけど。 弁護士に対して商才を標準装備させてる辺りが、弁護士さん達に失礼だよね...? 「それじゃ...取り敢えず、頑張ってみます」 何か、千絋くんに乗せられているだけなのが情けないけど。 海のものとも陸のものとも判らなかった私の将来に1本の道ができたようで、それは素直に嬉しかった。 自分でも驚くほど、晴れ晴れとした気分。
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