ケーキ屋と上司の裏の顔

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「うわあ、美味しそ......」 私の目の前には色鮮やかな、スイーツが。 ケーキにタルトに、パイにミルフィーユ。 三度の飯よりお菓子好きな、私、有馬梢にとっては天国だ。 あぁ、もう死んでも良い! あっ、それは駄目か。 まだこの宝石を食べてはいない。 『店員さ~ん、これとこれとこれとこれとこれ下さい』 みんな、よく買うな。 なんて、呑気に思っていられない。 なんたって私には使命がある。 それは、売り切れ御免のこの店名物。 ベリーアイスシューを買うことだ。 シュークリームの中に、これでもかというベリー。 そして、アイスクリーム。 ブルーベリーやラズベリーの程良い酸味。 甘さ控え目のアイスクリーム。 サクサクフワフワのシュー生地。 てなもんだから、売り切れ必須。 開店前から店の前には、長蛇の列。 お一人様、一個まで。 なのに、午前中には完売。 その秘訣解せぬ。
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