20cmの距離 2

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頬が赤くなっているのは湯上りのせいだけでは ないだろう。 俺は、 ゆっくりと彼女に近づいて肩に手を掛けると、 優しく後ろに倒していった。 彼女の笑顔が消え、 真面目な顔に戻る。 「えっ だめ だよ・・・」 小さな声で呟くが、 抵抗はしないで目を閉じてくれる。 濡れた黒い髪が縁側に広がって、 その中で目を閉じている彼女の白い肌と赤い唇。 自分が抑えられなくなっていた。 キスをしようと顔を近づけていく。 俺も目を閉じようとしたその時、 いきなり目をパッと見開いて見つめてきた。 少し驚いて思わず動きが止まってしまう。 彼女の大きな瞳が更に大きく感じられる。 20cmの距離を挟んで、 息を止めてじっと見つめ合う。
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