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頬が赤くなっているのは湯上りのせいだけでは
ないだろう。
俺は、
ゆっくりと彼女に近づいて肩に手を掛けると、
優しく後ろに倒していった。
彼女の笑顔が消え、
真面目な顔に戻る。
「えっ だめ だよ・・・」
小さな声で呟くが、
抵抗はしないで目を閉じてくれる。
濡れた黒い髪が縁側に広がって、
その中で目を閉じている彼女の白い肌と赤い唇。
自分が抑えられなくなっていた。
キスをしようと顔を近づけていく。
俺も目を閉じようとしたその時、
いきなり目をパッと見開いて見つめてきた。
少し驚いて思わず動きが止まってしまう。
彼女の大きな瞳が更に大きく感じられる。
20cmの距離を挟んで、
息を止めてじっと見つめ合う。
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