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「そういえば、飛鳥よ。プルトニウムどこ隠した?」
「ああ、アレな。捨てたで」
「ふーーーん。捨てたのか。どこに?」
「今頃、水上バイクと共に海の底ちゃうか?」
飛鳥はのんびり顔で青く美しい海を見つめる。
海は、この四日間変わらず雲ひとつなく澄み切った晴れ空だ。
サクラと飛鳥の二人は、しばらく平和な海の漣を見つめた。
「……うーん。そのボケは面白くなかった、ボケるならもっとマシなボケしなさい。で……? どこよ」
「そやから、捨てたっていうとるやん」
「…………」
サクラは無言で振り向き、じっと飛鳥の顔を見つめる。飛鳥は全くいつもと変わらずマイ・ペース顔だ。サクラに見つめられ、「ウムウム」と頷いているのを見て、悪いジョークでもおちょくっているのではなく本当のことだと理解した。
「え…… まぢ?」
サクラは思わず宮村のほうを見た。二人の雰囲気の異常に戸惑う。宮村も飛鳥が水上バイクに細工をしてプルトニウムをバイクに固定し、南の海に解き放ったのを手伝った。
「サクラちゃんの指示……だと思ったんだけど!?」
「いや、いや、ウチの独断やけど、ええかサクラよ。皆、核兵器なんかあるからモメるんや~ どうせ売る事もできへんし、持っていて狙われるだけやし。非核三原則完璧っ」
飛鳥はそういうと唖然とするサクラの肩を笑顔で叩く。
「そういう厄介なんは、誰も手にできひんようにするのが一番♪ これで誰も手が出せへん、万事解決♪」
「……捨て値で1億……いや、あれなら5億はするのに……」
「アッハッハ♪ ウチらのポケットに、核兵器は納まりきらない、大きすぎる宝って事やな♪ 自然に還すのが、一番や。このワルサーを愛する同志も、きっと同じ事をしたやろう。ルルル~♪」
一人ノリノリと<ルパン3世>になったつもりで満足げの飛鳥と、唖然として言葉が出ないサクラ。
「あの…… あのさ、サクラちゃん。飛鳥ちゃんをフォローするわけじゃないけど…… プルトニウムは、詳しくはよく分からないけど、そう簡単にはプルトニウムは核臨界にはならない……ンだよね?」
「そのあたりは成功した……と思う。ミヤムーが放射能で死んでいないから」
もし放射能漏れしていれば放射能に対し何も対策がない宮村はまず倒れるだろうし、サクラだって体調の変化で気付く。放射能濃度はガイガー・カウンターでも確認したから、そこは問題ない。
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