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突如泡の雲の尾を引くがごとく、2対の魚雷が、ダーツ拡散弾さえ弾いたツノツキの頭部の外骨格を撃ち貫き、ツノツキ2匹を撃墜する。
“友軍機”?
まさか、という言葉も私の脳裏に連想する。
ここは海面下200m以上の“深海”だ、そんな耐圧仕様の装甲を有する機体など到底シェルの至るレベルの援護とは思えない。
ましてやあの外骨格を撃ちぬく魚雷を搭載するなど…。
残存するツノツキ共の群が魚雷の進行方向の根本を振り向き、私の機体のセンサーも視界を傾けた。
そして私はその薄暗い深海の中を潜航する“特機”仕様のネイヴォーガを見た瞬間と、如何に描かれるその戦闘ぶりに、そのスペックの全ての説明が繋がった。
現れたのは4本の棘の様な小さな角の生えた甲殻類に似たネイヴォーガ、
それも異形の二眼の様なセンサーが昆虫生物の眼球の如く蠢くのが見えた。
深海を突き進むその異形の機体はスクリューブースターをホバリングさせるようなマニューバーで動いて上昇しようとする3匹のツノツキ共に立ち塞がり、
シールドの様な装甲の両腕部から、対艦仕様の様な両刃の“大剣”を展開してから、
まず片腕のシールドの複合兵装の大剣で、
1匹目のツノツキをその進攻の推進力を利用し一刀両断する。
寸前両側面に回り込んだツノツキが2匹いたが、瞬発的に発射された先程と同様の魚雷が、
そのうちの1匹を貫き、
更にもう1匹に対して
延長するようにシェルのソレの改良型らしきその上腕部の複合関節腕が伸び、複合兵装の大剣が、“ハサミ”の様に変形しその1匹の腹部部位を捕え、
その直後にツノツキのその腹部部位が、何故か“破裂”した。
体高にして甲殻類のようなシルエットのフォルム、そして対艦仕様の“ハサミ”…
“カニ”、否“≪魔蟹≫”
すなわちその実態があの機体であり、
どういうわけか私の機体の救援に来たらしい事に、
私は驚きを覚えた。
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