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同種を殺され逆鱗に触れるのは残存する1匹のツノツキ。
遠吠えしてからその機動力を生かし、そのツノツキはキャンサーの背面に回るが、
スクリューブースターの推進力で回転をかけた左腕部のシールドの打撃がツノツキの脳天を側面から叩き落とし、更に右腕部のハサミがとうとうそのツノツキの頭部を捕える。
もがき苦しむツノツキ。だがその頭部を捕えるキャンサーのハサミの出力は、おそらく深海活動に耐えうる程に強化されている為であろう、
緩む事を知らず、
“ソナー”のような音波を発してから先程と同じように、ツノツキの頭部はまたもや“破裂”した。
「何者?」
私はキャンサーにも繋がる様に、機体の通信回線をオープンチャンネルに切り替え問いかけるが、
その言葉に応える事無く、キャンサーこと“彼”の機体は黙って、私のシェルの破損されてない右腕部を抱え、ウォルの艦体が居る海域へと上昇するのだった…
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