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ベタなハナシ、
そう、典型的なSFヒーローのフリークが好きそうな架空の話じゃ、悪役という勢力の中には、
悪の科学者の参謀格というのが多分必ずいるのがセオリーと私は思う。
この腐れ縁の話から出てきた≪クズル機関≫こそ典型的な”ソレ”である。
それは数週間前から受けていた話である。
クズル機関という名の、国複連の中枢組織…
謂わば技術屋集団の様なその特務機関から、私の遊撃部隊にとある”試作機”の配備を受けていた。
正式名称≪鬼潮≫
コールサイン≪魔蟹≫
何でも…単機で原潜規模の動力源とそれに比例する戦闘能力を有するネイヴォーガであり、パイロットもクラーケ相手に相応の腕を魅せつけているという報告を受けてはいたが、
私は直感からあまりその報告に対して印象が胡散臭い様に見えた。
理由として、私自身その報告を受ける以前からその特務機関には、
”あまり良識がある連中とは言い辛い噂”しか聞いてない。
何しろ、
戦術核兵器が横行し高い次元の被害をもたらした第三次世界大戦時の頃に存在してはそのまま埋もれた忌まわしい遺物である技術を
サルベージしては研究開発を行うという、
あまり穏やかとは言えない内容の連中である。
詰まる所国複連の色濃い闇の悪習の”亡霊”にして、
そして更に、その”キャンサー”という二つ名のネイヴォーガは
一説にはネイヴォーガですら無く、偶々共食いに出現した甲殻類から変異したクラーケだという話も聞く。
後述は兎も角、そんな”黒い話”が飛び交う連中の片棒を担ぐのは”あまりいただけない”。
だから私はこの話を断ったはずだった。
「上にはお気の毒だけど、“結構”って伝えてくれるかしら?」
『出来るわけないだろ?俺だってあの特務機関相手は勘弁してくれよ』
「意気地ないわね。断るの?」
『無理だ』
「私この船降りるわよ」
とウォルとの”小話”の最中だった。
CICから先に回線が入ったのだろう、ドックにもその報せは届く。
『哨戒機より報告。メガロ級群の生体反応確認。距離四八◯◯。』
「17分じゃなかったの?介入するまで近いじゃない、命令すれば?“ウォルバー・ハイル准佐”」
私は刺す様な言葉をウォルに投げつける。
そして、カタパルトから注水が始まれば、EPケーブルに繋がれた私達のシェル部隊は射出され、
やがて私は、この戦闘域で彼の存在と邂逅する事となる。
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