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こことは違う、魔法が当たり前の世界のとある国のとある城で一人の男の子が産まれた。
金髪碧眼の愛くるしい顔をした子供。
彼はファイと名付けられ、使用人の手によって育てられた。
彼の父親は王の肩書きを持ち、加えて彼は第六王子。王位継承権は無いにも等しい。
そんな我が子に父親が見向きもしなかったのは必然だった。
しかし、王族であることには変わりないため幼いときより英才教育が施された。
彼は大変優秀な子供で特に魔法に関しては大人にも負けずとも劣らない才能を有していた。
“魔法の無詠唱行使”
“魔法の複数同時発動”
今まで誰も成し遂げた事のない偉業を8歳の子供が成し遂げた。
その才能を前に彼の兄達は弟を疎ましく思うのと同時に恐怖した。
曰く、何故アイツだけ…
曰く、弟の分際で生意気だ。
曰く、もしかしたら自分たちの地位が脅かされるかもしれない。
曰く、そうなる前になんとかしなくては…
端から見れば愚かなことこの上ないが、兄達は本当にそう信じていた。
こうして、たびたび彼に対して兄達はちょっかいを出して来るようになった。
触らぬ神に祟りなしとばかりに人々は彼から離れていく。
こうして 彼は孤独になった。
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