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眼鏡屋さんで銀縁眼鏡を見つけると試してみたくなる。
その時、流れてくるピアノの音色は、先生が作ったその日の色。
気分次第で曲調も眼鏡も変わる。
蜻蛉の眼鏡みたい。
私がからかったら、
似合うものを探している。
そう言ったけど銀縁眼鏡が好き。
私の身体が音を覚えていて勝手にメロディを口ずさんでいる。
最後にくれたクリスマスソングは今でも耳から離れない。
魔が差した額への軽い口付けは先生には遊びかな。
あれはあれで今でも胸が張り裂けそう。
今も先生はどこかでピアノを弾いているんだろうか。先生に会いたくてしかたない。転勤したときくれた眼鏡は眼鏡ケースの中にある。
私が見上げた空からは今年も雪がちらついた。
先生が奏でる旋律を探す私の青春は眼鏡色に染まっている。
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