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「久しぶりねぇ兄さん」 忌々しそうに父を見る女性、父を知る親族のほとんどは父にその目を向けた。 「なんで父さんはアイツまで呼んだんだ」 「あれは家を出たから関係ないだろうに」 小声、けれど僕らに聞こえるように言い出した父への悪口、僕は密かに怒りを覚えた。 そんな僕を知ってか父は僕の肩に手を置き言った。 「私達が来たのは源十郎さんの遺言を聞くためです、それが終われば帰りますよ」 祖父を名前で呼び、兄弟だろう人達に敬語で話す、まるで他人行儀なその言い方に、あぁ父も親族が嫌いなんだと感じた。
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