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☆第一章と第二章の間の通話履歴☆
『はいはい貴方だけの幼馴染み、陽香ちゃんだよー。元気してる?』
「幼馴染みってガキの頃から一緒の学校に通ってる奴のことだろ? だったら俺以外にも『幼馴染み』のカテゴリーに入るのはいるはずだが」
『いやいや、プラス隣の家に住んでいないと「幼馴染み」とは呼べないでしょー』
「なにその無駄なこだわり?」
『ってそんなことはどうでもいいのですっ。大和っち、ちゃんとご飯食べてる? お風呂は? 風邪とかひいてないよね? 夜更かしは?』
「うぜぇ」
『なっ。これでも幼馴染みとして大和っちのことを心配してるってのに!』
「大丈夫だよ。その辺のことは問題ねえ」
『だったら、なんで元気なさそうなわけ?』
「……ちゃんと取り繕ってるはずなんだがなあ」
『ふふん。幼馴染みを舐めないことねっ。電話越しだろうと大和っちのことなら何だって把握できるのです!! ……魔法使い関連でしょ?』
「……実はヤンデレ属性持ちで、盗聴器とか仕掛けているってわけじゃねえよな?」
『そんなものなくたって分かるわよ。大和っちの「目的」が「目的」なんだし』
「……チッ。当てずっぽうかよ」
『当たればいいのです!』
「ふん」
『ねえ、大和っち』
「なんだよ?」
『いつだって帰ってきていいからね? なんだったらそっち行こうか?』
「いつまでもお前に頼ってられるかよ」
『むぅ。意地になってる』
「男ってのはそういうもんだ。時代が変わり、男の価値が暴落したとしても……女の前ではかっこつけたくなるんだよ」
『私以外の女は全員「魔法使い」としか見てないくせに』
「つまりそういうことだろうが」
『へ、へー。悪い気はしないかな』
「そうかい」
『でも! 危なくなったらいつだって帰ってきていいんだからね? 大和っちが無事なことが一番大事なんだから』
「ああ」
『大和っち』
「あん?」
『がんばれっ』
「ああ。頑張る」
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