断章 その声はどこへ届く?

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☆第二章と第三章の間の通話履歴☆ 『大和っちー! パンツの話なんだけどさ、縞パンと紐パンどっちが好き?』 「ノーパン」 『な……ッ!! 大和っちってばそんな趣味だったの!?』 「冗談だ」 『ほっ』 「どうせ裂くんだからどうでもいい」 『裂く!? 大和っちってば結構アグレッシブ!?』 「つーか開口一番なんでパンツの話してきてんだよ」 『いい加減クマさんパンツから卒業するべきかなってね』 「くだらねえ。大事なのは布のほうじゃなくて、その奥にあるもんだろうに」 『大和っちってば案外エッチ!?』 「まぁ今時そんな劣情抱いたって無駄なんだがな。思考読まれて爆殺されるのがオチだ」 『大和っちっていつも最悪ばっかり考えるよね。大和っちのそれは飛行機事故に巻き込まれるのが嫌だから飛行機に乗らないのと同じようなものなのに』 「基本惨劇に巻き込まれるのは男。つまり単純計算で最悪が降りかかってくる確率が倍になってるんだぞ。警戒すんなってほうが無理な話だ」 『だったら帰ってきたらいいよっ。私が守ってあげるから!』 「エロい想像したいから『目的』捨てて帰るとか馬鹿か。つーかお前は俺がそんな理由で帰ってくると思ってたのか?」 『でも、大和っち結構な頻度で私の胸見てたじゃん』 「ぶふっ。しょ、証拠、証拠は!?」 『魔法で当時の記憶を視覚化してもいいけど?』 「これだから女はっ。魔法魔法ってそればっかだよな! なんだって魔法で解決しやがってっ」 『変態』 「ぐっ。待てって! 俺は、あれだ、別に誰彼構わず見てるわけじゃ……ッ!!」 『ほかの人は魔法使いだから怖いってだけでしょ』 「ぐぐっ」 『後さ、エロ本の隠し場所がベッドの下ってちょっと古典的すぎない?』 「ぐぐぐっ。お、お前はどうなんだ!? そういうことしてねえのか!?」 『えぇ!?』 「あ、言っておくが電話越しでも嘘ついているかくらいは分かるからな!」 『そうだった! いつもは究極に鈍感な癖にこういうところだけは鋭いんだったっ』 「お前限定だがな! で? どうなんだ!?」 『ぐ、ぐぐぐ……』 「陽香ちゃんは何をオカズにやってんだ!?」 『そこまで言わないといけないわけ!? え、だって、私はいつもや……ッ!!』 「や?」 『───、』 「ん? あれ? あっ、あの野郎切りやがった!!」
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