第1章

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「…白川」 「っ、何ですか…?」 急に名前を呼ばれて、そちらを向くと先輩にパチリと写真を撮られた。 いつものように“何を撮っているのですか?”と言えばいいのに、口が動かない。 「緑があまりにも綺麗だったから」 先輩は自分が心から綺麗と感じたものでしか、そのレンズに写さない。だから、変人と呼ばれている。 そんなカメラが私を初めて捉えた。 「緑が一番、綺麗だ」 .
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