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世界政権を握る組織ダリア本部がある国ウルガナ。その中心都市にある国会に口周りを白い髭を生やした50代の男性と30代の眼鏡をした女性、その二人の間に紫かかった髪を後頭部中心に少しのポニーテールをした十代半ばぐらいの少女達がスーツを着て廊下を歩いていた。
彼らはウルガナで平等な社会に変えようと動いている。
「いよいよ、この時がきたか」
緊張した表情をして男性が言うと、女性も表情を固くしながら答えた。
「そうね、ついにこの日がきたわ。二人とも準備はいい?」
「当たり前だ! なあルドア?」
男性の肩ぐらいの身長の少女ルドアは頷いた。
「もちろんです! 私も頑張ります!」
少女は胸元に輝く水色の宝石のペンダントを右手で一度強く握り会議室の中に入った。
円状の並べられた長い机に座り会議が始まる。
彼女達は旧人類が社会で新人類から受ける現状を話した。過去から記録していた差別、能力差別により貧困の拡大した累計データを提示し苦しんでいる事を話すが誰一人使徒達は興味を示さなかった。
「現状は理解した。現状を改善する努力はしよう」
そう言ったのは少女達の正面に対峙して座るオールバックにした白髪の第六使徒だ。
あっさりとした言葉にに少女は焦り椅子から立ち、前のめりになりながら言った。
「いつ改善されるんですか!? 前回も同じ回答しましたが差別は減ってないんですよ? 」
「減ってるじゃないですか? 旧人類でも入れるレストランや娯楽施設を作りましたよね?」
第六使徒の隣で座る青い髪の第四使徒が銀の眼鏡のレンズを拭きながら変わりに答えた。真面目に応答をしない態度に少し苛立ち、声に力が入る。
「そうですが、その施設内のカメラや私達に対しての警備員での監視は必要ないとですよね?」
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