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「す、すまない」
少女の優しい笑顔を見て男性は謝罪し、拾いホールに出ると黒の軍服に金のラインがはいった男達が三人に走って近づき肩を掴んで拘束しようとする。
「なんだお前ら!!」
男性は荒げた声を出して抵抗をしようとするが、背後から首裏を殴られ意識を失い床に倒れた。
目の前の仲間が倒れた事により、仲間の女性は「キャー!!」と叫ぶが、周りにいた人達は駆けつけない。
殴った男は叫ぶ女性に苛立ち、大声を出した。
「騒ぐな!」
少女達は目の前の暴力に脅えながらも声を殺し、軍人達にホールからエレベーターに誘導され、地下牢へと連行された。
冷えたコンクリートの壁と柵に囲まれた部屋。三人はバラバラの部屋に入れられ、気がつけば三日が過ぎている。
何も無い檻の中で少女は牢の隅で身を丸くして座り、生気の無い目で足元をじっと見ていた。
「ああ……駄目だったな私……」
そう飽きらめながら呟くと部屋のドアが開く音が聞え、足音が少女のいる柵の前で止まった。
「明日はあんたの番だ」
聞こえた声に反応し、少女が顔を上げる。軍服を着た紺色の髪を一部後ろで纏めた同い年くらいの女顔の少年が柵の前で彼女を見下ろしていた。
少女は怖い顔をした大人では無かったからか怯えずに聞いた。
「……もしかして死刑の事ですか?」
「知ってんのか。そう死刑。あんたはこの世界の平和を乱す存在だから処分されるんだ」
「そうですか……。やっぱりそんな理由なんですね」
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