収奪

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「ど、どうしたんだよ?気持ちわりぃし」 「有岡君聞いて下さい。俺、彼女と別れました」 「─はぁ?」 有岡は眉の間に皺を寄せ、素っ頓狂な声を上げた。 そんな有岡の遠い後ろで、こちらを見て睨んでいるチーフが見えた。 「あー…。チーフ睨んでるから、後で話すわ」 「今日バイト終わり空いてるから、話聞くよ」 「分かった」 そう言ってそそくさと、仕事に就く。 「黒岩ー、おはよー」 「おぉ、おはよう」 仕事をしていると、牧原がやって来た。 「なぁなぁ聞いた?遅番に女が来るってさ」 牧原の言葉を聞いて、思わず苦笑してしまう。 「さっき有岡から聞いた」 「どんな子か気になるよなぁー。中村みたいな女じゃなきゃ、いいんだけどな」 「そうだな」 本当。 職場に女が入るってだけで、こうも浮かれてしまうとは。
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