収奪

13/26
前へ
/489ページ
次へ
「でも可愛いって言うか、美人な子。多分かなりモテると思うよ」 「へぇー。それは早く見てみたいな」 つい「美人」と言う言葉に、反応してしまう。 つくづく男って単純な生き物だなと思った。 「あ。そうだ」 孝二は何かを思い付いたようで、手をポンッと叩いた。 「牧原もまだ見てないらしくてさ。どんな子か早く見てーなぁって言ってたから。明日の飲み会に、美羽ちゃんも誘ってみるか」 「あ、それいいな」 薄れた興味は何処かに行ってしまう。 「うん、そうしよ。明日美羽ちゃん、シフト入ってたハズだし。声掛けるわ」 「頼むよ」 「任せとけ」 そう言って孝二は仕事に戻って行った。 ─うん。 クールなお姉様は苦手だが、これから一緒に働くんだし。 毛嫌いせず仲良くしないとな。 気持ちを入れ直し、俺も仕事に戻った。
/489ページ

最初のコメントを投稿しよう!

94人が本棚に入れています
本棚に追加