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俺は牧原と連絡を取り合い、先にふたりで居酒屋に行くことにした。
学校終わりにそのまま、待ち合わせの居酒屋に向かう。
着くと先に牧原がいた。
「黒岩ー」
俺の顔を見付けるなり、牧原は手を上げた。
「お疲れ。待ったか?」
「いや、さっき着いた」
「それならよかった」
「んじゃ、行こうぜ」
牧原は嬉しそうに中に入って行く。
さすがの酒好きだ。
先にふたり酒を注文して、皆を待つことにする。
運ばれて来たグラスを手に「お疲れ~」と言って、牧原のグラスに当てた。
「あ~、うまいっ」
ビールを一気して、満面な笑みの牧原。
そこにおつまみの枝豆と、たこわさが来た。
「そー言や、今日新しい女の子来るんだってな」
たこわさを口にして、牧原が言った。
「孝二が声掛けるって言ってたから、来ると思うけどな」
歓迎会も兼ねて~って、言ってたし。
「何か美人な子なんだろ?楽しみだよな」
ニヤリと牧原が笑う。
「みたいだなぁ。俺もまだ会ってないんだよ」
「あー、ホント。遅番にろくな女いねーからなぁ。やっと、って感じだわ」
「…お前、遅番の女のこと、めちゃくちゃ言うもんな」
つい苦笑いをしてしまう。
孝二も大概だが、牧原はそれ以上に嫌っていた。
話し掛けられた時の露骨さと言ったら…。
見ている俺が辛くなってくる程だ。
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