第1章

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「亜希子ー!!学校行こうー!!」 外から懐かしい声が聞こえてきた。 絵美だ!! 「ほら、絵美ちゃん来たわよ!!」 「はーい!!今行くねー!!」 私は大きな声で返事をすると、ランドセルを背負って家を出た。 絵美とこうして話すのはどれくらいぶりだろう。 中学に入るころには、それぞれ違う友達と遊んでいた気がする。 高校は確か別々だった。 教室へ入ると、懐かしい顔がそろっていた。 雛子に彰に亮介に恵。 幼稚園から一緒の子、小学校で初めて会った子。・ 純粋で無垢だった頃。 そして、担任の先生。 名前をすっかり忘れていてちょっと焦ったが、ほかの子たちが先生の名前を呼んでいるのを聞いてすぐに思い出したのだった。 当時は長く感じた学校生活も、大人になって改めて過ごしてみるとあっという間だった。 帰ろうとすると、数名の友達に呼び止められた。
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