第1章

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「亜希子、帰っちゃうの?遊ばないの?」 友達の言葉に、私たちは放課後、家に帰らずに遊びに行って、日が暮れかける頃帰っていたのを思い出した。 「遊ぶ!!」 私はそう答えると、友達数名と学校の近くの公園へと向かったのだった。 公園で遊ぶなんて、どれくらいぶりだろう? 大人の私が公園で遊んで楽しめるだろうか公園で…と思ったのもつかの間、気付けば息が切れるほど走り回ったり遊具で遊んだりしていた。 そして、これでもかってくらいに笑ったのだった。 こんなに子供の時は充実していたのかと、正直驚いた。 やがて日が暮れ、私たちは慌てて岐路へとついた。 玄関のドアを開ける音を聞きつけた母がリビングからパタパタとやってきた。 「こらっ!!!亜希子!!あんた、また!!宿題をしてから遊びに行きなさいって何度行ったら分かるの!?今、何時だと思ってるの!?」 目の前でカンカンに怒ってる母の顔を見ていると、なぜだか涙があふれてきた。 …母は私の為を思って言ってくれているのだ。 当時はうるさいなぁくらいにしか思っていなかったのに、今は母の想いがとても分かる。 なかなか身を固めない私に対してもそうだ。 おせっかいでもなんでもなく、私の行く末を心配して言っていたのだ。 ポタポタと涙があふれてとまらない。 「…ごめんなさい…。お母さん…ごめんなさい。」 私がボロボロ泣き出したことに母はびっくりしたような顔をし 「そ、そんなに泣かなくても…。ま、いいわ。ほら、ご飯の前に宿題を終わらせちゃいなさい。」 そう言ってキッチンへとひっこんでいった。 私は涙をぬぐいながら自分の部屋へと行き、しばらく机の前で泣いていたが、リビングのほうから「宿題終わったのー?」という母の声に慌ててランドセルからノートを取り出し宿題をしたのだった。
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