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「大変!!もう9時前よ!ほら、亜希子、もう寝なさい。寝る前に明日の準備するのよ。」
母の言葉に、私は時計へと目をやった。
あと5分ほどで9時になる。
私はゆっくりと立ち上がり、リビングを出て行こうとした。
ふと、足を止め振り返る。
父は晩酌をし、母と姉はくすくすと笑いながら何か話している。
私がそれをじっと見つめていると、母が私の視線に気付いた。
「どうしたの?何か話したいことでもあるの?」
「…ううん。なんでもない…。おやすみなさい。」
私は部屋へと戻ると、壁に貼ってある時間割を見て教科書をランドセルにつめる。
これは夢なのだろうか…。
ほっぺをつねると痛かった。
…痛い…。夢じゃ…ないよね…。
私はゆっくりとベッドへともぐりこむ。
放課後、想いっきり走り回ったせいなのか、ひどく眠い…。
どうか…
どうか、どうか…
目が覚めても子供のときの私でいますように…。
私はゆっくりと目を閉じた。
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