第1章

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「大変!!もう9時前よ!ほら、亜希子、もう寝なさい。寝る前に明日の準備するのよ。」 母の言葉に、私は時計へと目をやった。 あと5分ほどで9時になる。 私はゆっくりと立ち上がり、リビングを出て行こうとした。 ふと、足を止め振り返る。 父は晩酌をし、母と姉はくすくすと笑いながら何か話している。 私がそれをじっと見つめていると、母が私の視線に気付いた。 「どうしたの?何か話したいことでもあるの?」 「…ううん。なんでもない…。おやすみなさい。」 私は部屋へと戻ると、壁に貼ってある時間割を見て教科書をランドセルにつめる。 これは夢なのだろうか…。 ほっぺをつねると痛かった。 …痛い…。夢じゃ…ないよね…。 私はゆっくりとベッドへともぐりこむ。 放課後、想いっきり走り回ったせいなのか、ひどく眠い…。 どうか… どうか、どうか… 目が覚めても子供のときの私でいますように…。 私はゆっくりと目を閉じた。
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