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「実は…数年前、小学校の同窓会に顔を出したの…。そこで彰と再会して…。仕事の話になったんだけど、彰、リストラされてて…。それで、うちを手伝ってもらうことにしたの。彰、独身だって言うし、ここに住み込みでいろいろしてくれてるのよ。」
私の言葉に、姉が感心したようにうなずいた。
「あんたがねぇ…。同窓会にねぇ…。へぇー…。」
そこまで言って、姉はニヤリと笑った。
「まさか…二人は…付き合ってるとか…?」
私は彰と顔を見合わせる。
「やっぱり…!!」
そうなのだ。
姉の言うとおり、私と彰は結婚を前提に付き合っている。
といっても、もう歳も歳なので、初々しさはあまりないのだが…。
「そうなの!!何はともあれおめでとう!!結婚はいつなの?」
「まだ、全然そんな…。式とかは予定ないし…。もう結婚を急ぐような年齢でもないしね。」
「そう…。でも、本当におめでとう。結婚したら、ちゃんと教えるのよ。」
「分かってる。」
そういって、私と姉は笑った。
姉がすごくほっとしたのが分かった。姉は姉なりに、私の行く末を心配していたのだろう。
「ところで、副園長先生。私に用事があったんじゃないの?」
「そうそう!それで来たんです!子供たちが呼んでいて…。ホールへきてください。お姉さんも一緒に。」
彰の言葉に私と姉は顔を見合わせる。
早く早くと急かす彰の後を姉と一緒についていった。
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