第1章

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「実は…数年前、小学校の同窓会に顔を出したの…。そこで彰と再会して…。仕事の話になったんだけど、彰、リストラされてて…。それで、うちを手伝ってもらうことにしたの。彰、独身だって言うし、ここに住み込みでいろいろしてくれてるのよ。」 私の言葉に、姉が感心したようにうなずいた。 「あんたがねぇ…。同窓会にねぇ…。へぇー…。」 そこまで言って、姉はニヤリと笑った。 「まさか…二人は…付き合ってるとか…?」 私は彰と顔を見合わせる。 「やっぱり…!!」 そうなのだ。 姉の言うとおり、私と彰は結婚を前提に付き合っている。 といっても、もう歳も歳なので、初々しさはあまりないのだが…。 「そうなの!!何はともあれおめでとう!!結婚はいつなの?」 「まだ、全然そんな…。式とかは予定ないし…。もう結婚を急ぐような年齢でもないしね。」 「そう…。でも、本当におめでとう。結婚したら、ちゃんと教えるのよ。」 「分かってる。」 そういって、私と姉は笑った。 姉がすごくほっとしたのが分かった。姉は姉なりに、私の行く末を心配していたのだろう。 「ところで、副園長先生。私に用事があったんじゃないの?」 「そうそう!それで来たんです!子供たちが呼んでいて…。ホールへきてください。お姉さんも一緒に。」 彰の言葉に私と姉は顔を見合わせる。 早く早くと急かす彰の後を姉と一緒についていった。
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