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ホールの前へ来ると、彰がゆっくりとホールのドアを開いた。
私と姉が一歩足を踏み入れたとたん
パァァーーーン!!!!
クラッカーの音がホールに響き渡る。
そして
『園長先生!お誕生日おめでとう!!!!』
子供たちの声が響き渡ったのだった。
びっくりした私は言葉が出なかった。
「俺が子供たちと計画したんだ。この施設、君の誕生日に設立したんだろう?ちょうど10年目になるって、先生たちから聞いたんだよ。」
彰の言葉に、私は目をパチクリさせる。
子供たちがニコニコと笑いながら
「園長先生、おめでとー!!」
と口々に私に祝いの言葉を投げかけてくる。
突然のことに言葉が出なかったが、それよりも先に涙があふれ出た。
「園長先生、泣いてるー?」
「園長先生、大丈夫ー?」
子供たちが心配そうに声をかけてくる。
「ふふっ。大丈夫よ、先生、嬉しくて…。皆の気持ちが嬉しくて、泣いてるの。」
私の言葉に子供たちは嬉しそうに笑う。
その笑顔が、私にとって希望そのものだった。
「みんな、ありがとう!!」
ここにいるのは私の家族。
かげがえのない、私の可愛い子供たち。
これからも、この先も、私はずっとこの家族を守っていこうと、そしてたくさんの愛情で包んでいこうと心に決めたのだった。
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