第1章

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私はフラフラと立ち上がり、隣のベッドへ突っ伏した。 今更こんな大金が手に入ったところで、どうしろと…? 夢も希望もない私には、今の給料、貯金でこの先の生活は問題ない。 1億円なんて手にしたところで、使い道もない。 普通の人はここで喜ぶものなのだろうか? きっと、趣味や嗜好品などに使うのだろうな…。 けど、私はそういうものに興味はない。 欲しいものもない。 何がほしいか考えてみたが、何も頭に浮かばなかった。 再び、宝くじの当選券へ視線を移す。 お金なんて、今の私にとって、必要なものではない。 何にも興味のない私には、1億円あったところで、今の生活は変わらないのだから。 「こんなもの、いらない…。」 私はそうつぶやいた後、連日の仕事疲れからかウトウトと眠りに落ちていった。
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