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やばい…!!!
私は恐怖心から思わず目を閉じる。
「…亜希子…?何してるんだ?」
それは、聞きなれた父の声だった。
私は思わず声のしたほうを見る。
そこには確かに父がいた。
それも、ずっと若い父が。
「え…?お…父さん…?」
きょとんとする私を見て、父は笑った。
「どうした?そんな幽霊でも見たような顔をして。ほら、早く顔を洗っておいで。遅刻するぞ。」
父はそういうとリビングのほうへと歩いていってしまった。
そんな父の背中を呆然と見つめていると、今度はリビングのほうから
「美佳子ー!!亜希子ー!!早く起きなさい!!遅刻するわよ!!」
と、母の声がした。
その後、「亜希子は起きてるぞ。」と父の声もした。
私は慌てて駆け出し、リビングへと飛び込んだ。
そんな私に、父と母の目が点になっている。
「ど、どうしたの、亜希子…。そんな勢いよく駆け込んできて。あんたがこんなに早く起きるなんて珍しいわね。ほら、早く顔を洗ってらっしゃい。」
笑いながら母が言った。
その母も、父と同じく若かった。
いったい何が起きてるんだろう…?
私はしばらくその場で呆然としていたが、母に「ほら!早く顔を洗ってきなさい!」といわれ、慌てて洗面所へと向かったのだった。
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