第2話

～ 大人になるということ ～

「引っ越し祝い、しよぉ～よ～」

玄関を開けると、懐かしい、変わらない二人の姿。

学生時代からの親友、みほ、山田 美穂（やまだ みほ）と、まゆ、有田 麻由美（ありた まゆみ）二人がいた。

二人とは高校時代からの付き合いで、大学も同じ学部、卒業してからも時々三人で会っていた。

転勤が決まったことを最初に伝えたのも二人だった。

まゆはアパレルメーカーに就職したが、職場の先輩からの嫌がらせと激務が原因で体調を崩し、半年で辞めた。

今はファミレスで働くフリーターだ。

みほは、鉄道関係の会社に就職。今は地元のローカル駅に勤務している。

地元の信用金庫に就職した彼氏のりょう、西条 僚（さいじょう りょう）とは、仕事柄時間の合わないことも多く、なかなか会えないから、と、
同棲始めて、もう1年以上過ぎた。

そんな二人は、私に合わせて明日はお休みだと言うので、明日は三人で食器や雑貨などの買い出しに行くことになった。