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翌日は、料理の先輩みほに調理器具を選んで貰い、お洒落なまゆに雑貨を選んで貰った。
三人でお揃いのマグカップも買い、私の部屋に置いておくことにした。
ショッピングモールからの帰り道、妊婦みほはまだ安定期でもないので無理をさせたくなく、送って行き、私とまゆ、二人で帰宅した。
昨年買った愛車、中古の軽自動車に一杯積んできた荷物を二人で部屋に運び、まゆがセンス良く飾ってくれた。
そして、ちゃんと生活感ある部屋になった。
「ありがとう、お疲れっ。」
私がビールを1缶、まゆの前に置く。
二人で乾杯して一口飲むと、窓の外を眺めながらまゆが言った。
「結局、一番長く仕事が続いたのは、ゆきだね。」
みほは、子供を自分の手元で育てたいから、と、退社していた。
まゆが、アパレルの仕事に、未練も、恐怖も感じていることは解っていた。
「でも・・・結婚するのも、私が最後だと思う・・・。」
私が目をやった先には、どうしても置いてこれなかった、犬なのか熊なのか解らない紫色のぬいぐるみがあった・・・。
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