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私には大学時代、大好きだった人がいる。
渡邉 弘哉(わたなべ ひろや)サークルが一緒だった同級生。
弘哉には彼女がいたが、私と弘哉は、二人で出掛けたりもする仲だった。
しかし、弘哉は4年の時に家庭の事情で急に引っ越してしまい、以降、音信不通。
その紫色のぬいぐるみは、二人で出掛けたゲームセンターで弘哉が採ってくれたものだった・・・。
いつしか、外出先で弘哉の姿を探すことも、なくなった。
もう、一生会えないかもしれない、という思いは、ある。
「まだ、忘れられない?」
痂になった傷口に、まゆの言葉が刺さる。
どんな風に、心は前に進むのだろう。
”今日からは忘れた。”
なんて線引きが出来れば、楽なのかもしれない。
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