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ソファーの上で毛布にくるまっていた私の目の前には、きちんと身なりを整えた杉浦所長が、立っていた。
「シャワー借りたぞ。」
それだけ言うと、私に背を向けた。
素肌に毛布を巻き付けただけの私が、ソファーの上で小さくなったまま頷くと、持って来ていたカバンを手にし、ローテーブルの上に置かれた腕時計をはめながら言った。
「誰かに、言うんじゃないぞ。所属事務所が違うとは言え、俺はお前の上司だ、仕事に影響が出るのは困る。」
冷たい目だけが、こちらを向く。
「解って、います。私も、話すつもりはありませんから、ご心配なさらないで下さい。」
それだけ聞くと、杉浦所長は玄関に向かい、帰って行った・・・。
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