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上村課長が私たちのところにやって来た。
課長と本宮先生は面識があるようだ。
「上村さん、お疲れさまです。実は蘭さんに会ってもらいたい人を近くで待たせているんです。交流会の途中で申し訳ないのですが、少し蘭さんを外に連れ出してもいいでしょうか?」
「ああ、例の件ですね。他でもない本宮先生からの依頼ですから、断るなんてできませんよ。蘭さん、先生と少し外出してきてくれる?時間は1時間くらいで大丈夫ですか?」
「ええ、十分だと思います。私が責任持って連れて戻りますから」
私に会わせたい人って…誰?
突然何なんだろう。
だけど上村課長からの指示だし、断れるような雰囲気ではない。
「分かりました。課長、行って参ります」
本宮先生に促され、会場を出る。
「近くのカフェで待ってるから。急な話でごめんね。今日みたいなチャンスを逃す手はないと思ったら、どうしても黙っていられなくてね…」
一体、誰が待っているの?
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