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目の前にいる彼女はやつれたように見える。
少なくとも幸せそうには見えないのに、それを喜べるほど私には憎しみが残っていないような気がする…。
この人は、幸せの略奪者なのに。
「可笑しいですよ、何もかもが。こうして今、私と麗花さんが向き合っていることも」
「私が言いたいのは、子供のことよ。あの時は私も広美さんも妊娠中だった。広美さんが産んだ子供は10歳よね?私の子供は……産まれることはなかったわ」
それは確かにそうだけど、正直言って私には関係ないこと。
麗花さんが妊娠していたのは知ってたけど、その子供について何かを知ろうとは思わなかった。
「嘘だったんですか?本当は赤ちゃんできたって嘘……」
「嘘なんかじゃないわ!!」
ビクッとした。
突然血相を変えて立ち上がり、怒鳴った麗花さんは私を上から睨み付けていた。
「麗花さん落ち着いて…とりあえず座ろう。蘭さん、彼女をあまり興奮させないでもらえますか。ここは大人の話し合いってことで…。冷静にお願いします」
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