1章紐なしバンジーは異世界への儀式でした?

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「何がどうして、こうなった……。」 今、中世ヨーロッパを思わせるような格好の奴らに、取り囲まれている。 ざっと10人前後、どいつもこいつも目を見開き、口を開けアホ面晒しちゃってるんですけど~? 目の前に真っ黒なローブに身を包みかおもよく見えない怪しい奴に、声でもかけってみっか。 「おいあんた、この状況説明しろ。…おい、聞いてんのか?」 肩に手をかけて軽く揺さぶると、はっ!と息をのむ音が聞こえた。 と、思った瞬間波紋の様にざわめきが広がり慌ただしくなった。 成功だの、ついにだの…当事者そっちのけで周りは騒ぎ数人は部屋を飛び出していったけど、ドッカンガッシャン凄い音したけど大丈夫かー? 「おい、誰か今の状況を説明し「直ちに、王の下へ勇者様をお連れしろ!!」………なん、だと?」 その言葉を皮切りに、周りにいた奴らは波のごとく僕の体を押し流すように移動して……、いや、これ間違い無く担ぎ上げられてる? ふむ、楽でいいや。 しかし、さっき勇者とか言ってたよなー…、小説にある勇者召喚か。その魔法陣がさっきのか、勇者ってこの展開だとチートで魔王退治するんだったよねー、んで糞みたいにハーレム作るんだろ? ………けっ反吐がでるおww 大体、僕が勇者になるなんて。 ん?待て待て… 「おい、そこのローブのあんた。さっき、僕のことをなんて言った?」 「はぃい!勇者様と申し上げてございますぃるっ。…グフっ!」 あ、噛んだ。 あ、こけた。 おー痛そう。 仰向けに担がれたまま、天井を見る。 僕が、勇者様?ないない。天変地異が起きたとしても、有り得ない。
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