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少年は貧しい地域で産まれた。お金を見る機会は殆ど無いほど貧しい生活を送った。
奇跡的に大人になれた少年は、母のもとから離れて働き始める。
あるとき黒服を着た怪しい男が少年の手にかばんを押し付けてきた。
かばんの中には薄汚い紙が詰まっている。不思議に思いつつも少年はありがたく紙を受け取った。
少年は見たことがなかった。お札というものを。
一万円札が詰め込まれたかばんも、彼にはただの紙が詰まっているようにしか見えなかった。
少年は紙に文を書き始める。遠く離れた地にいる母にあてて一文字一文字書いていく。
出来上がった手紙をそのままポストへと投函する。
母の無事を祈り、返事を楽しみに毎日を過ごす。
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