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「どうしよう・・・これ?」
「なんだ?信?」
「うちのガレージの奥に、猫がいるよ・・・!!」
「なんだ?なんだ?」
恐れていたことが起きた。
やっぱりあの声は、子猫の鳴き声だったのだ。
「家が糞で汚れるからなんとかしてよ!!」
この家は、兄貴がサラリーマンエンジニアとして汗水垂らして両親と暮らす為に長期ローンで買った家だった。
なので、兄貴は神経を尖らせていた。
更に、兄貴は動物が大嫌いだったのだ。
幼い頃、犬に追いかけられて咬まれたトラウマで兄貴は『毛嫌い』になった。
「お願いです!あの子猫を保健所に頼んで持っていかせないで!!そっとしておいてよ!!お願いです!お願いです!」
自分は、家族に何度もしつこく頼んだ。
家族間では、あの子猫のことは『禁句』となった。
しかし、自分はあの三匹の子猫のことで頭がいっぱいになり、どうしても、どうしても、どうしても、どうしても、どうしても、どうしても、どうしても、どうしても、気になって仕方なかった。
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