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そこに今までの優しそうな雰囲気が無くなったロランが、にやりと笑う。
「じゃあもう、猫を被る必要はないな。思った通りの事を言えばいいか。それに今まで俺がどう思っていたのか全部聞こえていたわけで……そうかそうか。俺が好きだと思っていたのも全部知っていて弄んでいたと」
(この淫乱ビッチが)
「! また淫乱ビッチって思った! すぐにそんな風に悪口を思っているのに僕が素直になるはずがないじゃないか!」
「仕方がないだろう、リュシーを見ていると変な気持ちになって襲いたくなるし」
(そう、全部この存在自体がエロ生物なリュシーが悪い!)
「エロ生物って何だ! く、全部聞こえているって分かっているのに全然改善していないし……やっぱり、ロランが好きだと思ったのは気のせいだったんだからぁあああ!」
「……つまりリュシーは本当に俺が好きだと?」
(さっきのは俺から情報を引き出そうとしたわけではなく?)
「……そうだよ。というか、何で疑うんだ。何時もは自信家のくせに」
「あー、そうだな。うん、そうかそうか。本当に俺をリュシーが好きなのか……」
(どうしよう、安心してしまった。はあ、何でこの俺が振り回されているんだよ。本当にリュシーは魔性だよな)
「どっちがだ。僕だってロランに振り回されてばかりだ。今だって本当の事を話してくれないし」
「……分かった、全部話せばいいんだろう? その代りリュシーは俺の“妻”だからな」
(面倒臭い)
「面倒がるな! ……それで良いから教えてよ」
僕がそうロランをせかして聞いた所、こんな答えが返ってきた。
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