episode167 虚実の隙間

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「そんなの……綺麗事」 案の定。 「ンンッ……アアッ……!」 「我慢してたんだ。思い切り逝くといいよ」 弱点を晒したまま 拒絶する手を押えこまれ。 「僕のお口の中いっぱい」 「和樹っ……!」 すぐに えもいわれぬ快感の波に飲み込まれた。 「ハアッ……ンッン……和樹っ……」 握られた手首が痙攣し 爪先まで震える。 「ダメだ……俺もうっ……」 木漏れ日の間からまだ日の高い空を仰ぐ。 和樹はいつまでも俺を放さなかった。
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