episode167 虚実の隙間

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episode167 虚実の隙間

どうしてこいつがこの家に来たのか。 まだ10歳にもならない俺には分からなかった。 仕方ないさ。 自分がどうしてここにいるのかすら よく分かっていなかったんだから。 ただ気づいた時には こいつはしけた面してこの屋敷にいて。 俺と同じ姓を名乗り 何の抵抗もなく 俺のことをお兄様と呼んだ。 「薫お兄様――気持ちいい?」
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