410人が本棚に入れています
本棚に追加
/1084ページ
(ぐは!)
まぁ…スッポンポンで居る弊害と言うべきか。
視線が怪我してる足じゃ無くて、何故だかご立派に成長している別のモノへと吸い寄せられてしまう。
(や…やだ…タケル君ってば)
もう見慣れてるモノには違いないけど、疚しい気持ちが有るからだろうか?
真面目に別の事をしようとしてる時に、このやる気マンマンなスタイルを見るのはナンダか気恥ずかしい。
「ホラ!貸してっ…」
「い…良いって言ってるだろ!」
「きゃぁ!」
邪念を捨てようと焦って手を伸ばすと、サッと上にタケル君が消毒液を持ち上げる。遙か彼方に逃げて行くそれを追いかけようとして、伸び上がった所を彼の足先がフニッと胸を直撃した。
「タケル君のエッチ!」
「は?!今のは偶然だろっ」
胸を両手で隠すポーズを取って上目遣いで座り込むアタシに、本当に悪気は無かったんだろう。彼がギョッとして目を剥く。
「隙有り!」
「あ!」
そもそも足先にちょっと胸が当たった所で、今更ソレを恥ずかしいとも嫌だとも思うハズも無く。
腕が自然と下がって来た所を狙って、強奪した消毒液を握るとニヤリと微笑む。
「…卑怯だぞ」
「フェイントはスポーツの基本でしょ―♪」
ふてくされて唇を尖らせる彼が可愛くて、クフクフと笑いながら足の裏に消毒液を付けようと先をひっくり返したら。
「ひゃぁ?!」
「スズっ!」
ボタボタボタ―!と、予想以上の勢いで飛び出した茶色の液体が、タケル君の足だけに止まらずに床まで零れて慌てふためく。
最初のコメントを投稿しよう!