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「まあまあ、皆さん……では、我々全員で行くと言うのはどうだ?ゼウスのメンバー全員でだ。よく言うだろ?『One for all,All for one』」
イエローが三人をなだめるように、両手を広げ軽く上下させる。
「『ワン・フォー・オール、オール・フォー・ワン』ねえ……」
ブルーは渋い顔で眼鏡のブリッジを上げる。
「はっ!何それ?レッドの『一人はみんなのために』はわかるわよ。『みんなは一人のために』って、この“一人”は誰よ!この中の誰か一人だけが得をして一億円を手にするってことっ!?意味わかんないわ!」
真っ赤な唇を歪め、目をつり上げ今にも噛みつきそうな顔でピンクはイエローを睨み付けた。
かつては、地元のお年寄りから“駄菓子屋小町”と呼ばれて可愛がられ、噂を聞き付けた他校の生徒までが、店番をするピンクをわざわざ見に来た逸話まで残っている、ちょっとした町のアイドルだったピンク。
今でも“美魔女”を自負するピンクの欲望剥き出しの表情に、ブルーもグリーンも圧倒され言葉がでない。
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