1人が本棚に入れています
本棚に追加
そして俺は現実に戻り
何故か足元が濡れている事に俺は気付いた。
失神中…最近、公園によく現れる野良女に襲われたらしい
恐らく俺をオモチャだと勘違いをし変なヨダレがジーンズに垂れている。
汚いと思ったが
俺はそれよりも宝くじが当たった事の方がびっくりしている。
手に持っていたスクラッチは無事だ。野良女はそのスクラッチを見ていなかったらしい。良かった。
もう一度、削った柄を見てみる…
「いやいやいや、まず落ち着け俺。こんな簡単にあんなロウソクを灯した怪しい店で当たるわけねェやん。
いや…まぁ今までラジオとかのプレゼント応募やハガキを書いて応募したら抽選で歌手と握手出来ちゃう!とかは何回か当たっているけど……現金はさすがに一度も無い。てかありえない」
…しつこいが
もう一度、もう一度だけスクラッチを確認してみる……
…うむ。やはり当たっている。同じアルファベットが3つ揃っている。
(このスクラッチは絵柄が3つ揃えば1億円が手に入るらしい)
「わぁ…本当に当たってるよ?」
そして疑心暗鬼のまま印鑑と身分証明書と通帳を持って、都市伝説と云われている"億の間"に銀行のお姉さんに誘導された。
この「"億の間"」という所は聞くところによると銀行の地下にある応接室らしい。廊下は、少し薄暗くてクーラーが効いている感じだった。
そして応接室に辿り着き
部屋で待機してくださいと云われ俺を残してお姉さんは出ていった。
応接室の中は…
少しだけ違和感がある部屋だった。
部屋全体を見渡すと窓と電気が一切無く、壁紙は黒一色。明かりはどこかで見たようなロウソクが何本か灯してあった。
そして
長いテーブルに椅子はフカフカのソファーだった。
(本当にココで良いのか?
なんか宝くじを購入した時と同じ気がするんだが…)
しばらくして審査担当らしいスーツ姿の40代~50代の男性2人とさっき案内して貰ったお姉さんがキビキビと部屋に入ってきた。
最初のコメントを投稿しよう!