第1章 カプセル

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そんな中、カプセルの試験を行うと公式応募が始まった。なんでもカプセルの始動試験を一般の方から募るそうだ。その人数は1万人。被験者を募るのには多すぎる気もしたが、それだからこそ応募が殺到した。もちろん、俺も応募した。その数、100万人超え。恐ろしい倍率である。その中で抽選。 --そして運よく俺は当選した。そのことを知った時は思わず舞い上がってしまった。 --それからだ。変な噂が流れ始めたのは。その噂の内容は、このカプセルの公式テストが実は人体実験で何をされるのかわからないというものだった。俺は当然、当選していない人が掲示板に書いたでっち上げだと思った。だからすぐに沈下するだろうと。 それなのにその噂はどんどんと広がっていった。誰もが無視できなくなるくらいに。それでも公式テストは変わらずやるとのことだ。 --試験当日、俺は胸を高鳴らせ、テストを行う会場へと足を運ぶ。幸いにも試験会場は俺の家から近かった。まああちこちに設置されているとのことだったが。 そこで担当している係りの人に以前家に届いた手紙を見せることでちゃんと抽選に当選した人だという事を知らせる。そうすると説明を受けてから通してもらった。まあ、その説明は緊張のあまりほとんど聞き逃してしまったが。
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