甘い罠

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あたしが疲れたなーと思うときは減ったりするけれど、それでもこの子は活発なのか、よくお腹の中で自分の存在をアピールするように動いている。 「じゃあ、少しいい?」 「え、何が?」 何のことかわからず首を傾げるあたしに、晴希さんはふっと笑う。 「触ってもいい?」 「ええっ!?」 予想外のことを言われて思わず大きな声が出る。 「今日の玲夢、すっげえ綺麗だったから触りたくてしょうがなかった。……ずっと、我慢してたんだよ」 抱きしめる腕にぎゅっと力を込めながら切なく漏らされた声に、あたしの心臓はどくんっと反応する。 そんな風に言われたら、嫌だなんて言えないよ……。 って、言うつもりもないんだけど。
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