16 罪には罰を、謎には答を

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「……最後の最後で、幕を下ろすのに失敗するとはね」  自嘲的なリコ先輩の声。 「……全てあなたの推理通りよ」  私はそこでゆっくりと目を開き、リコ先輩に尋ねた。 「――教えて下さい。ムツ先輩と阿武戸先輩を殺した動機について」  リコ先輩はうつむいて、重たげに口を開いた。 「……あの強盗殺人の被害者は、私の実のお父さんだったの」  それを聞いたユイさんが驚いて言う。 「えっ……リコ先輩のお父さんは、今も生きてるはずじゃ……」 「今のお父さんは、私が生まれた時に認知しただけの、血の繋がらない父親なの。私が生まれて以来、この事実はずっと隠され続けてきたから、この件は警察でさえ知らないわ」  リコ先輩は寂しげに続ける。 「他人の目があるからめったに会えなかったけど、私はずっと本当のお父さんだと慕ってたの」 「それじゃ、今回の事件はその復讐で……」  ユイさんの呟きにリコ先輩が答えた。
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