90人が本棚に入れています
本棚に追加
その時、真理亜先輩がおずおずと質問した。
「……どうして私達が強盗犯だと知ったの?」
「――あの夜、私が人目を忍んでお父さんに会いに行ったら、あなたたち三人が家の中から飛び出してくるのを見たの」
リコ先輩は顔を上げずにそう答え、憎々しげな声で付け足した。
「……ひどい殺し方だったわ」
その言葉に、真理亜先輩はいたたまれなくなった様子で目を伏せた。
リコ先輩はそちらに目もくれなかったが、明らかに真理亜先輩に向けて語り始めた。
「ムツを縛り上げた時、真理亜は強盗事件に一応参加したものの、犯行中はずっと離れた場所で見てただけって聞いたわ。だから真理亜に関しては脅すだけで殺すつもりまではなかったけど、お父さんを見殺しにした代償として窮地に陥ってもらおうと思ったの。恋人の栗栖と一緒にね」
――それが『なすりつけ工作』に繋がったというわけだ。
最初のコメントを投稿しよう!