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「――リコ先輩。復讐のためとはいえ、どうして見つかるリスクを冒してまで生首を晒したんですか? それにあの予告状だって――」
「見つかった方がよかった」
リコ先輩は顔を上げて私を見つめ、きっぱりと言う。
――その頬を、涙が伝った。
「あの晒し首と予告状は、強盗犯達への脅しの意味もあったけど……わざと証拠を増やして捕まることになったとしても、それはそれでよかったの。それ以上罪を重ねないで済むんだから――」
リコ先輩は震える声でそう告白し、再びうなだれた。
……これで、やっと事件は終わったのだ。
「――以上で、真相解明は終わりです」
私はみんなに向かって終わりを告げた。
――と、その時リコ先輩が下を向いたまま呟く。
「……無様なものね。死に損なった上、正体まで暴かれて……姿なき殺人鬼も、明るい所に引きずり出されれば、しょせん醜態をさらすだけの化け物にすぎないわね……」
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